ゴールドで5連敗したら、次も同じロットでいい?固定ロットと定率の差
5連敗後も同じロットでいい?10万円から固定額と定率の損失を比較。資金回復に必要な利…

「少し下で買い足せば、ちょっと戻るだけで助かる」
ナンピンで平均建値が下がるのは、そのとおり。でも、助かるまでの距離が縮むことと、さらに逆行しても持てることは別なんだよね。
今回は「ナンピンは絶対ダメ」で終わらせず、何が良くなって、何がきつくなるのかを数字で見ていこう。売買の優位性や、戻る確率を検証する記事ではないよ。

平均建値だけ見ると、追加したくなる。でも確認するなら「戻ったとき」だけじゃなく、「そのまま下がったとき」もセットで。
ゴールドを4000ドルで0.05ロット買ったあと、3990ドルまで下がったとする。1ロット=100トロイオンスなら、0.05ロットは5オンス。10ドルの逆行なので、含み損は10 × 5=50ドル。
ここで何もしないか、0.05ロット足すか、0.10ロット足すか。この3つを比較する。
この数量や資金額を推奨しているわけではありません。銘柄・口座によって契約サイズ、証拠金の計算方法、発注条件、強制決済の方法は違います。
この条件なら、追加前の有効証拠金は200−50=150ドル。追加後の必要証拠金は最大60ドルなので、単純に有効証拠金と比べる限りは追加できる設定だ。ただし実口座の注文が必ず通る、という意味ではない。
0.05ロットを追加すると、4000ドルで買った分と3990ドルで買った分が同じ数量になる。平均建値は3995ドル。3990から5ドル戻れば、費用を除いた合計損益はゼロになる。
0.10ロットを追加するなら、後から買った数量が最初の2倍。単純に2つの価格を足して2で割るのではなく、数量で重みを付ける。
必要な戻りは約3.33ドルまで縮んだ。ただし、追加した瞬間の損失は、費用ゼロなら3ケースとも50ドルのまま。後から買った分の含み損益が、その瞬間はゼロだからだ。平均建値の線が動いても、消えた損失があるわけじゃない。

なお、MT5の口座方式によっては建玉が1つにまとまる場合も、別々に残る場合もある。ここでいう平均建値は、同じ銘柄・同じ方向の建玉を合算して見るための値。画面にこの1本の価格が必ず表示される、という話ではない。
追加後に見落としたくないのが、損失の増える速さだ。
| 3990での判断 | 合計数量 | 平均建値 | 1ドル逆行時の追加損失 |
|---|---|---|---|
| 追加しない | 0.05ロット/5oz | 4000 | 5ドル |
| 0.05ロット追加 | 0.10ロット/10oz | 3995 | 10ドル |
| 0.10ロット追加 | 0.15ロット/15oz | 約3993.33 | 15ドル |
たとえば3990から3985へ、さらに5ドル下がったらどうなるか。含み損は順に75ドル・100ドル・125ドルになる。出発点の含み損50ドルは同じでも、その先の増え方が変わる。
逆に3995まで戻れば、費用ゼロの合計損益は「追加なし:−25ドル」「0.05追加:0ドル」「0.10追加:+25ドル」。戻った場面では追加が有利に働く。この両面を、戻る場面だけ抜き出さずに見たい。
この仮定では、証拠金維持率は「有効証拠金 ÷ 必要証拠金 × 100」。50%になる有効証拠金は、必要証拠金の半分だ。
同数量を追加しただけでも、28ドルが13ドルへ縮む。ちょうど半分の14ドルにならないのは、必要証拠金が増え、50%の基準となる金額も10ドルから20ドルへ上がる設定だから。
これは、証拠金が固定・費用ゼロ・買い建玉だけという条件の式。実口座の正確な強制決済価格を、この数字から読み替えないでね。基本の仕組みは損切り前にロスカットされる理由でも整理している。

下のスライダーで3990からの下落を動かせる。3ケースを同時に見て、損失の増え方と、基準へ届く順番を確認してみて。
説明用デモ/実際の口座や相場とは異なります
合計0.05ロット
有効証拠金150ドル/含み損50ドル
基準まで、あと28ドル
合計0.10ロット
有効証拠金150ドル/含み損50ドル
基準まで、あと13ドル
合計0.15ロット
有効証拠金150ドル/含み損50ドル
基準まで、あと8ドル
棒は「各ケースの開始時から残っている逆行幅の割合」。強制ロスカット基準に達したケースは、その判定直前の数値で停止します。実際にどの建玉が何口決済され、その後どうなるかは再現していません。
ナンピンをするかどうかより先に、追加後の出口を金額で出したい。
同じ例で、すべて3980で切る予定なら、追加なしの損失は100ドル。0.05ロット追加なら150ドル。0.10追加では式の上では200ドルの損失になるけど、この仮定だと3982で先にロスカット基準へ届く。予定のSLまで持てない計算だ。
「追加したから建値で逃げたい」と、切る位置をどんどん遠ざけると、最初に許容した損失とは別の取引になる。追加する前に、最低限この3つを書いてみよう。

「あと3ドル戻れば」より、「さらに5ドル下がるといくら減る?」。追加ボタンを押す前に、そっちの数字を一回見たい。
買い増した直後の含み損が、本当に同じとは限らない。買いはAskで入り、評価にBidが使われるため、追加分のスプレッドが関係する。手数料や持ち越し費用があれば、それも口座に影響する。
必要証拠金も、価格・レバレッジ・銘柄の仕様・数量区分などで変わる場合がある。MT5の銘柄仕様と業者の口座条件を見て、固定額なのか、どんな計算方式なのかを確かめたい。
強制決済は、この図のような連続価格で必ず行われるわけではない。急変・価格の飛び・約定の滑りがあり、基準到達後に一部の建玉から決済される方式もある。「計算上あと何ドル」は、そこまで持ってよい距離でも、損失の上限保証でもない。
最初から合計数量・追加する価格・撤退位置を決めて、小分けに入る設計は考えられる。ただし、分割すれば損失が小さくなるとは限らない。全部の注文が入った場合の数量で、出口までの損失を計算する必要がある。
この記事の例は「最初の0.05ロットに上乗せする比較」。最初から0.15ロットを一括で入れる場合と、0.15ロットを分割する場合の成績比較ではない。そこを混ぜると、ナンピンの良し悪しを数字以上に言い切ってしまう。
今回覚えておきたいのは、平均建値・合計数量・出口までの損失を一緒に見ること。平均建値が近くなっただけで、口座の余裕まで増えたとは考えない。数量の決め方から確認したいなら、損切り幅と許容損失からロットを逆算する記事も続けて読んでみて。
2026年10月13日確認。MetaTrader 5公式ヘルプの証拠金計算・取引操作、MQL5公式リファレンスの口座情報を参照。本文の200ドル・固定証拠金・50%基準は説明用に置いた条件で、特定業者の口座条件ではありません。将来の値動き、ナンピンの勝率、実際の強制決済価格は検証していません。
平均建値を動かす前に、出口の目安と合計数量を整理したい。くらまのKGSは、チャート上でエントリー・TP・SLの目安を確認するためのインジ。まず動くデモで、表示と損益の関係を見てみて。


インジの表示は判断の補助です。利益や強制ロスカットの回避を保証するものではなく、注文・数量・証拠金の管理は別途必要です。